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業界動向

2026年コーポレートガバナンス・コード改訂、「取締役会事務局の機能強化」に何が求められるか

2026-08-17 公開

2026年7月21日、金融庁・東京証券取引所は改訂版コーポレートガバナンス・コードを確定しました。
原則数は83から30へと大きく整理され、「形式から実質へ」が改訂の主眼として掲げられています。上場会社は遅くとも2027年7月末までに、改訂版に対応したコーポレートガバナンス報告書を提出する必要があります。

この改訂の中で、グループ会社を管理する立場から見て特に関わりが深いのが、原則4-14「取締役会における審議の活性化等」の解釈指針に新たに追記された、取締役会事務局の機能強化に関する記述です。

原則の位置づけ

改訂コードでは、原則4-1・4-2で成長投資や経営資源配分の説明・検証が求められる一方、それを支える体制面の要請として、原則4-14の解釈指針に、取締役会の運営を支える事務局(コーポレートセクレタリー等)の機能強化を推進すべき旨が追記されました。
今回の改訂では「解釈指針」という仕組み自体が新設され、各原則への実質的な対応を支援する役割を担うことになっています。
原則数が83から30へ絞り込まれる中であえて追記された記述である以上、事務局機能は「あれば望ましい」ではなく、実質面での取締役会運営を支える基盤として位置づけられていると読めます。

原則の正確な文言や適用範囲については、金融庁・東京証券取引所が公表する改訂版コード本文をご確認ください。本稿は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法令解釈や自社の対応要否は専門家にご確認ください。

「事務局機能」とグループ会社データの関係

取締役会事務局の役割は、議案の準備や議事録の作成だけではありません。
取締役会が実質的な議論をするためには、事務局が正確な現状把握を土台として提供できているかが鍵を握ります。グループ会社を多く抱える会社ほど、この土台づくりの負荷が大きくなります。

  • 子会社の資本構成・役員構成が最新の状態で把握できているか
  • 役員の任期満了が近い法人はどこか、選任議案の準備は間に合うか
  • グループ内の出資関係に変化があった場合、それが取締役会への報告事項として上がってくる仕組みになっているか

これらは、事務局が案件ごとに個別の子会社へ都度問い合わせて把握するやり方では、グループの規模が大きくなるほど負荷が増していきます。子会社の数が数十社を超えるような会社では、四半期ごとの取締役会準備のたびに同じ確認作業を繰り返すことになりがちです。

Excel台帳の限界が事務局機能に直結する

多くの会社では、グループ会社の基本情報・役員情報・資本関係を、担当者が個別にExcelで管理しています。
この運用は、担当者の異動や退職があるたびに引き継ぎの負荷が生じ、更新が漏れたまま放置されるリスクも抱えます。取締役会事務局が「常に最新のグループ全体像を把握している」状態を維持しようとするなら、属人化した台帳運用そのものが機能強化のボトルネックになり得ます。

まとめ

原則4-14とその解釈指針が求めているのは、突き詰めれば「取締役会が実質的な議論をできるだけの情報基盤を、事務局が用意できているか」という点です。
グループ会社の基本情報・役員情報・資本関係を、個別のExcelファイルではなく一元的に把握できる状態にしておくことは、この要請に応える体制づくりの一つの選択肢になります。

参考

関連記事として、同じ改訂のうち支配株主を有する上場会社に関する論点は「支配株主を有する上場会社の独立社外取締役、特別委員会の設置ではコンプライにならない」でまとめています。

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