グループ会社の役員は、1人が複数の法人を兼務していることが珍しくありません。
法人ごとにExcelを分けて管理していると、「この人は今どの法人の何の役職に就いているか」「任期はいつまでか」をグループ全体で横断的に把握するのが難しくなります。
役員リストテンプレートは、全法人の役員情報を1シートに集約し、就任・任期・退任を法人横断で管理できる形にしたものです。全12列のうち4列が必須項目です。
必須項目(4列)
- 所属企業: 「01_法人リスト」に記入した企業名から選択します。表記を完全一致させる必要がある点は法人リストの記事でも触れたとおりです。
- 氏名: 戸籍・登記上の表記で入力します。
- 役職: 「代表取締役社長」「取締役」「社外取締役」「監査役」「社外監査役」「監査等委員である取締役」「会計監査人」など、候補一覧から選択できます。候補にない役職名(委員会の委員長など)は直接入力しても構いません。役職は自由記述として扱われるため、候補一覧にない名称でも取り込み時にそのまま正しく反映されます。
- 就任日: YYYY-MM-DD形式で入力します。
「就任日」と「初回就任日」の違い
この2つの列を混同すると、任期管理の精度が下がります。
- 就任日は、現在の役職への直近の就任日です。再任を重ねている場合は、最後に選任(または再任)された日を入れます。
- 初回就任日は、その法人でその役員が最初に役員に選ばれた日です。再任がなければ就任日と同じ日になるため、その場合は空欄で構いません(未入力時は就任日と同一とみなされます)。
再任を繰り返している役員ほど、この2つの日付を分けて記録する意味が大きくなります。株主総会での選任履歴を遡って確認する必要が出たとき、初回就任日が記録されていないと、在任年数の通算が難しくなるためです。
任期(年)の会社法上の根拠
任期年数は、会社法で以下のように定められています。
- 取締役: 原則2年(会社法332条)。監査等委員会設置会社の、監査等委員でない取締役は1年。
- 監査役: 原則4年(会社法336条)。
- 会計監査人: 1年(会社法338条。別段の決議がなければ自動再任)。
いずれも非公開会社は定款で最長10年まで伸長できます。定款で標準より長い任期を定めている法人がある場合は、その年数をこの列に入力してください。空欄の場合は、役職と法人の機関設計(法人リストシートの「機関設計」列)から、上記の原則どおりの年数で扱われます。
任期満了日は、上記の計算結果を明示的に上書きしたい場合のみ入力する列です。定款どおりの任期であれば、通常は空欄のままで構いません。
退任日の扱い
現職の役員は退任日を空欄にしてください。退任済みの役員も削除せずに残しておくことをお勧めします。過去の役員構成を確認する必要が生じたとき(監査対応や、ある時点の取締役会の構成を確認する場面など)、退任済みの役員情報が残っていないと再現できなくなるためです。
社内・社外/常勤・非常勤の記録
いずれも任意ではなく推奨項目です。
特に「社内・社外」の別は、社外取締役・社外監査役の独立性を把握するうえでの基礎情報になります。グループ全体で「社外役員が何人いるか」「特定の個人が何社を兼務しているか」を横断的に見たい場合、この列の記入精度がそのまま集計の精度に直結します。
この列はシステムが自動判定するものではなく、役員お一人ずつの実態に応じて選択いただく項目です。判断の参考として、会社法2条15号は社外取締役の要件(当該会社やその子会社の業務執行者でないこと、就任前10年以内にその経歴がないことなど)を定めています。個別の該当性判断に迷う場合は、専門家にご確認ください。
入力後はグループ横断で検索できる
役員リストテンプレートに入力した情報は、SOLCUBE Coreに取り込むことで、氏名・役職・所属企業を横断的に検索できる役員検索画面に反映されます。

法人ごとにExcelを分けて管理していたときには難しかった「この人は今どこで何をしているか」の横断把握が、この画面1つで完結します。
次のステップ
役員リストは、法人リストの企業名を土台にした構成です。先に法人リストを固めてから記入を進めてください。
関連記事として、複数法人にまたがる役員の兼務と出向をどう区別して記録すべきかは「役員の「兼務」と「出向」は法的に別物、管理台帳では分けて記録する」でまとめています。
役員リストテンプレートおよび記入例は、この記事末尾のご案内から無料で入手できます。
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